目隠しフェンスで日当たりは悪くなる?南側170cmの影を計算してみた

新築の外構・エクステリア計画で、目隠しフェンスの高さを170cm前後にしようか検討しています。

前回考えたのは、

「ソファに座っているときは道路からの視線を遮り、立ったときにはフェンスの上に視線を抜く」

という方法。

プライバシーと開放感を両立するなら、わが家では170cm前後が一つの候補になりました。

でも、ここで新しい疑問が出てきました。

南側に高さ170cmの目隠しフェンスを設置したら、リビングの日当たりが悪くならない?

カーテンレス生活ができても、リビングが暗くなってしまったら本末転倒です。

そこで今回は、

目隠しフェンスの高さ
× 太陽高度
× フェンスから家までの距離

から、実際にできる影の長さを計算してみます。

南側の目隠しフェンスは日当たりに影響する?

結論から言うと、

影響する可能性があります。

特に注意したいのが冬です。

夏は太陽高度が高いため影が短くなりますが、冬は太陽高度が低くなるため、同じ高さのフェンスでも影が長く伸びます。

そのため、南側の窓の近くに背の高い目隠しフェンスを設置すると、冬の日射を遮ってしまう可能性があります。

実際、目隠しフェンスの高さについて解説する外構記事でも、

「目隠しを優先した結果、室内が暗くなった」

という失敗を避けるため、日当たりやフェンスの位置を確認することが重要とされています。

では、どのくらい影が伸びるのでしょうか。

これは感覚ではなく計算できます。

フェンスの影の長さを求める公式

国立天文台では、物体によってできる影の長さを、

影の長さ = 物体の高さ × cot(太陽高度)

で求められるとしています。

tanを使って書き換えると、

影の長さ = フェンス高さ ÷ tan(太陽高度)

です。

例えば、

フェンス高さ=1.7m
太陽高度=30°

なら、

1.7 ÷ tan30° ≒ 2.94m

となります。

つまり太陽高度30°なら、高さ170cmのフェンスは約2.9mの影を作ります。

ここで重要なのが、

「フェンスから窓まで何mあるか」

です。

フェンスの影が3m伸びても、窓まで5mあれば単純な地面上の影は窓まで届きません。

逆にフェンスから窓まで2mしかなければ、冬の日射に影響する可能性が高くなります。

目隠しフェンスの日当たりは、

高さだけでは判断できない

ということです。

熊本の冬至で計算してみる

わが家は熊本県で新築を計画しています。

冬至は1年の中でも太陽高度が低く、南側フェンスによる日影を考えるには厳しい条件の一つです。

合志市付近を北緯約32.9°として、冬至の太陽赤緯約−23.4°から南中高度を概算すると、

90° − 32.9° − 23.4° ≒ 33.7°

となります。

つまり冬至の南中付近でも、太陽高度は約34°です。

高さ170cmのフェンスで計算すると、

1.7 ÷ tan33.7° ≒ 2.55m

となります。

冬至の南中付近では、高さ170cmのフェンスから北側へ伸びる地面上の影は、概算で約2.6mです。

思っていたより短い。

これが今回計算してみて分かったポイントでした。

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160cm・170cm・180cm・200cmで比較

せっかくなので、フェンス高さによって冬至の影がどれくらい変わるのか比較してみます。

熊本県合志市付近、冬至の南中高度を約33.7°として計算します。

フェンス高さ冬至・南中付近の影
160cm約2.40m
170cm約2.55m
180cm約2.70m
200cm約3.00m

170cmから180cmへ10cm高くすると、影は約15cm長くなります。

170cmから200cmなら、高さは30cm違いますが、影は約45cm長くなります。

この数字を見ると、

「170cmと180cmで日当たりが劇的に変わる」

というほどではありません。

むしろ重要なのは、

フェンスと窓の距離

です。

わが家はフェンスから4〜5m離れる想定

わが家では、リビング側から目隠しフェンスまで4〜5m程度になる想定で検討しています。

まだ最終外構図で正確な寸法を確認する必要がありますが、仮に4mとします。

高さ170cmのフェンスによる冬至南中付近の影は、

約2.55m。

フェンスから窓まで4mなら、

4.0 − 2.55 = 約1.45m

窓の手前で地面上の影が終わる計算です。

5mなら、

5.0 − 2.55 = 約2.45m

余裕があります。

少なくともこの単純モデルでは、冬至の南中付近に高さ170cmのフェンスを設置しても、フェンスから窓まで4〜5m確保できれば、フェンス単体の影が建物まで届かない計算になります。

これは、わが家にとってかなり安心材料です。

ただし、朝夕は太陽高度が低くなり影が長くなるため、南中時だけで「一日中問題なし」とは判断できません。

またフェンスが真南にあるとは限らないため、実際には太陽方位とフェンスの位置関係も考える必要があります。

FLが40cm高いこともプラスに働く

さらにわが家では、室内の床面FLが外部GLより40cm程度高くなる想定で検討しています。

ここも実際の設計GL・FLで最終確認が必要ですが、日射を考えるうえでは重要です。

前回の記事では、この40cmを利用して、

外から見ると170cmの目隠し
室内から見ると実質130cm程度

という考え方をしました。

日当たりについても同じです。

室内床が外部地盤より高ければ、窓もその分高い位置になります。

つまり、

道路側からはしっかり目隠しできる。
室内側からはフェンスが低く感じる。
日射も取り込みやすくなる。

この高低差を外構設計に利用できそうです。

ただし「影が窓まで届かない=部屋が暗くならない」ではない

ここは注意が必要です。

今回計算しているのは、あくまで、

フェンスによる直射日光の影

です。

室内の明るさは、

・窓の大きさ
・窓の方角
・軒や庇の出幅
・吹き抜け窓
・隣家
・カーポート
・テラス屋根
・フェンスの目隠し率
・空から入る天空光

などにも左右されます。

そのため、

影が窓まで届かない=室内照度がまったく変わらない

とは言えません。

わが家には吹き抜けの窓もあるため、最終的にはフェンスだけではなく、建物全体で採光を考える必要があります。

高さだけでなく「距離」を取るのが重要

今回計算してみて、改めて感じたのがこれです。

目隠しフェンスの日当たり問題は、

「170cmか180cmか」だけで考えない方がいい。

例えば高さ170cmでも窓から1mしか離れていなければ、冬の日射にかなり影響します。

逆に180cmあっても、窓から5m離れていれば状況は大きく変わります。

つまり、

フェンス高さ × 太陽高度 × 窓までの距離

この3つをセットで考える必要があります。

これは前回のプライバシー計算とも同じでした。

視線も、

高さだけではなく距離が重要。

日当たりも、

高さだけではなく距離が重要。

外構は「何cmの商品を選ぶか」より、配置まで含めて考えることが大切なのかもしれません。

わが家は170cm前後を第一候補に

ここまで、

プライバシー
開放感
日当たり

の3方向から考えてきました。

現時点では、高さ170cm前後がわが家には合っていそうだと考えています。

FL−GLを40cmと仮定すると、室内側から見たフェンス高さは約130cm。

座っているときの道路からの視線を遮りながら、立てばフェンス上に視線を抜けさせる。

さらにフェンスから窓まで4〜5m程度取れれば、冬至の南中付近でも高さ170cmのフェンスによる地面上の影は約2.55mという計算です。

ただし、これはまだ計画段階でのシミュレーション。

最終的には、

道路高さ
GLとFL
フェンス位置
窓までの実測距離
フェンスの方角

を確定させて判断します。

そして完成後には、本当にカーテンレスで過ごせるのか、冬の日当たりはどうだったのかも確認したいと思います。

外構は完成してしまうと簡単には変更できません。

だからこそ、

「なんとなく180cm」ではなく、自分の家の条件を数字に入れて決める。

わが家では、そんな外構づくりをしていきたいと思います。

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