給料は上がったのに貯金できない理由|5人家族の食費と物価を比較
「給料は上がっているはずなのに、なぜか貯金が増えない」。スーパーのレジで合計金額を見て、そんなことを考える日がありませんか。今のわが家は、夫婦と子ども3人の5人家族。食費が増えると、家計への影響も小さくありません。
貯金が増えない理由の一つは、収入の増加を生活費の値上がりが打ち消してしまうことです。2021年と2025年の年平均を比べると、民間の平均年収は約9.9%増えた一方、消費者物価指数の「食料」は25.8%上昇していました。
ただし、これは全国の統計です。わが家の給料や食費が同じ割合で変わった、という意味ではありません。今回は全国の統計・仮定の試算・わが家の実績を分けて、家計が苦しく感じる理由を整理してみます。
確認日:2026年10月27日。比較は2021年と2025年の年間データで統一しています。2026年の年間実績との比較ではありません。
結論|平均年収は約9.9%増、食料価格は25.8%上昇
| 比較する項目 | 2021年 → 2025年 | 変化 |
|---|---|---|
| 民間の平均年収(額面) | 443万円 → 487万円 | 約9.9%増 |
| 食料の物価指数(2020年=100) | 100.0 → 125.8 | 25.8%上昇 |
出典:国税庁「民間給与実態統計調査」、総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年平均」。平均年収は1年を通じて勤務した給与所得者の平均です。「食料」には外食や酒類も含まれます。
給料が約10%増えても、食べ物の価格がそれ以上に上がれば、以前と同じ買い方をするだけで必要なお金は増えます。ただし、食料だけの上昇率を生活費全体に当てはめることはできません。住宅費や教育費なども含めて、わが家の支出を見ていく必要があります。
1.給料は増えた。でも「手取りが44万円増えた」わけではない
平均年収は2021年の443万円から2025年の487万円へ、44万円増えています。上昇率は、44万円÷443万円で約9.9%です。
ここで気をつけたいのが、この数字は税金や社会保険料が引かれる前の額面だということ。44万円がそのまま自由に使えるお金として増えたわけではありません。
また、同じ人の給料を追いかけた数字ではなく、働く人の構成や賞与などの変化も含む平均値です。「平均は上がっているのに、うちはそんなに増えていない」と感じても、不思議ではありません。家計では、実際に振り込まれた手取りで確認したいですね。
2.食品の値上がりはどれくらい?2021年と2025年を比較
| 年 | 食料の物価指数 | 2021年からの変化 |
|---|---|---|
| 2021年 | 100.0 | 基準とする年 |
| 2022年 | 104.5 | +4.5% |
| 2023年 | 112.9 | +12.9% |
| 2024年 | 117.8 | +17.8% |
| 2025年 | 125.8 | +25.8% |
出典:総務省統計局「全国 2025年平均」結果表。指数の基準は2020年=100で、2021年の食料指数も100.0です。各年の数値は年平均で、特定の月だけの値ではありません。
毎回の買い物では数十円、数百円の違いでも、積み重なると大きいですね。ただし、これは全国の一定の品目構成に基づく指数。よく買う食品やお店、特売の使い方によって、実際の家計が受ける影響は変わります。
なお、2026年9月の全国消費者物価指数の「総合」も前年同月比2.1%上昇しています。こちらは食料だけではなく、比較期間も異なる最新の動きです。上の25.8%に足して計算するものではありません。
3.月8万円だった食費は、同じ買い方なら約10万円に【試算】
ここからは仮定の計算です。わが家の2021年の食費実績ではありません。2021年に月8万円だった食費が、食料の物価指数と同じ25.8%上がったとすると、どうなるでしょうか。
80,000円 × 1.258 = 100,640円
| 項目 | 試算額 |
|---|---|
| 値上がり前の月額 | 80,000円 |
| 値上がり後の月額 | 100,640円 |
| 月間の負担増 | 20,640円 |
| 年間の負担増(12か月分) | 247,680円 |
月に約2.1万円、年間では約24.8万円の差です。この価格差が12か月続くと仮定した金額で、過去4年間の負担増を合計した数字ではありません。
購入量や内容を変えず、食料指数に沿って価格が変わるというモデルです。実際には安い商品への切り替えや外食回数の調整もするので、どの家庭でも必ずこの金額になるわけではありません。
4.わが家の9月の食費は120,484円【2026年の実績】
では、今のわが家はどうなのか。2026年9月の分類済み明細では、食費・食料品と外食を合わせて120,484円でした。
| 項目 | 2026年9月の確認値 |
|---|---|
| 食費・食料品(外食を除く) | 100,974円 |
| 外食 | 19,510円 |
| 合計 | 120,484円 |
出典:わが家のMoney Forward ME入出金明細の確認値。対象期間:2026年9月1日〜30日、確認日:2026年10月26日。現金・チャージ分は使い道を確認中で、食費への追加配分は反映していません。
「食費だけで10万円を超えるのか」と、数字にすると重く感じます。ただ、2021年のわが家の食費を同じ条件で確認できていないため、この金額から「物価高でいくら増えた」とは言い切れません。先ほどの月8万円からの試算とは別の数字です。
子どもが成長すれば、食べる量も変わります。比較する年の家族人数や生活の変化も考える必要がありますよね。食費が増えた理由を、全部「無駄遣い」にしてしまわないようにしたいです。
住宅ローンや保険なども含めた支出は、5人家族の2026年9月家計簿|生活費と使途不明金にまとめています。
5.貯金が増えないとき、わが家で見直したい4つのこと
① 食費と外食を分けて見る
食材に使ったお金と、外食・カフェ代を分けると、どこを調整できそうか考えやすくなります。必要な食事まで削るより、買ったのに使い切れなかった食品や、買い物の回数から見直したいです。
② 通信費・保険・サブスクを確認する
毎日の買い物で少しずつ我慢する前に、自動で引き落とされる支出を確認します。仮に月5,000円減らせれば、年間6万円。保険は必要な保障までなくさず、重複や契約内容を確認して考えます。
③ 毎月ではない出費も予算に入れる
税金、保険の年払い、家電の買い替えなどがある月は、普段どおりの暮らしでも支出が膨らみます。毎月の生活費だけでなく、年間で必要なお金も見ておきたいですね。
④ 貯蓄と投資を、続けられる金額にする
将来のお金も大切ですが、積立額を優先して生活費が足りなくなるのは避けたいところ。まず手取りと支出を確認し、当面使う現金を確保したうえで無理のない金額を考えます。投資には元本割れのリスクがあり、貯金と同じものではありません。
よくある疑問|食費10万円は使いすぎ?
Q.5人家族で食費が10万円を超えたら、使いすぎですか?
A.金額だけでは判断できません。子どもの年齢、食事の回数、外食を含むかどうかでも変わります。まずは同じ範囲で自分の家計の月ごとの変化を見て、食品ロスや無理なく減らせる支出がないか確認したいです。
Q.給料が上がっても貯金できないのは、物価高だけが原因ですか?
A.物価高は一つの要因ですが、それだけとは限りません。手取りの変化、子どもの成長、住宅費、車の維持費、年払いの支出なども影響します。平均年収と物価の比較だけで、個別の家庭の原因までは特定できません。
まとめ|貯金できない理由を、まず数字で確かめたい
2021年と2025年を比べると、平均年収は約9.9%増、食料の物価指数は25.8%上昇していました。月8万円の食費が同じ割合で上がるモデルでは、月100,640円、年間約24.8万円の負担増になります。
「給料は増えたのに、お金が残らない」。そんなとき、すぐに自分のやりくりを責める必要はないと思います。物価や家族の成長で、暮らしに必要なお金も変わっているからです。
わが家も、食費や生活費の実績を見ながら、今の暮らしに合う予算に整えていきたいと思います。皆さんのご家庭では、以前と比べて食費はどのくらい変わりましたか?
参考資料・出典
国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」
国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」(2026年9月公表)
総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年平均」(2026年1月23日公表、結果表の食料指数)
総務省統計局「消費者物価指数 全国 月次結果」(2026年9月分、2026年10月23日公表。リンク先は最新月に更新される場合があります)
統計の確認日:2026年10月27日。給与と食料価格の主な比較は2021年・2025年の年平均に統一しました。物価を用いた食費の試算と、2026年9月のわが家の確認値は別々に掲載しています。