控除とは?年末調整でいくら戻る?独身・子育て世帯の具体例で解説。電卓と申告書のイラスト。

控除とは?年末調整でいくら戻る?独身・子育て世帯の具体例で解説

「控除を申告するとお得らしいけど、結局いくら戻るの?」

年末調整の書類を書いていると、こんな疑問が出てきます。

控除は、税金の計算で一定の金額を差し引く仕組みです。独身でも、共働きでも、子育て中でも、条件を満たせば使えます。

最大限活かすポイントは、使える控除を見落とさず、正しく申告すること。この記事では、わが家の保険料も使いながら、税負担がどのくらい軽くなるのか説明します。

※制度・試算は2026年分に基づきます。確認日:2026年10月26日。翌年以降は、その年の制度を確認してください。

控除とは?「所得控除」と「税額控除」の違い

控除には、大きく2種類あります。

種類どこから差し引く?代表例
所得控除税率をかける前の所得基礎控除・社会保険料控除・生命保険料控除
税額控除計算した税金住宅ローン控除など

「10万円の所得控除=10万円が戻る」ではありません。

例えば、所得控除が10万円増え、その部分にかかる所得税率が10%なら、所得税は基本的に1万円軽くなります。税率20%なら2万円です。

※税率の境目をまたがない例。ここでは復興特別所得税・住民税を除いています。

独身・単身の方にも控除は関係する

控除は、家族を扶養している人だけの制度ではありません。

控除確認したいこと
基礎控除自分の所得に応じて適用されているか
社会保険料控除自分で払った国民年金・国民健康保険料などがないか
生命保険料控除対象となる保険料を負担しているか
地震保険料控除対象の地震保険料を払っているか
小規模企業共済等掛金控除iDeCoなどの対象掛金を払っているか
医療費控除年間に負担した医療費が条件を満たすか

会社員の方も、転職前などに自分で払った社会保険料があれば、申告漏れに注意しましょう。

また、一人暮らしでも、離れて暮らす親などを扶養している場合は、条件によって扶養控除を受けられることがあります。

単身の方の例:年間約6,900円の軽減

23歳未満の扶養親族がいない方が、新制度の一般生命保険料を年間8万円支払った場合を考えてみます。

所得税率が10%なら、2026年分の制度では次の目安になります。

項目金額
所得税の所得控除40,000円
住民税の所得控除28,000円
所得税等が軽くなる目安約4,100円
翌年度の住民税が軽くなる目安約2,800円
年間の税負担軽減額約6,900円

単身の方でも、対象の保険料を正しく申告することで税負担を軽くできます。

ただし、8万円を支払って8万円が戻る制度ではありません。 控除のためだけに不要な保険に加入すると、手元のお金はかえって減ってしまいます。

わが家の例:年間約1.6万円〜2.6万円の軽減になるケース

わが家は、夫婦と子ども3人の5人家族です。年末調整に向けて保険料を整理すると、次の金額になりました。

保険料の区分年間申告予定額
一般生命保険料〈新制度〉136,554円
介護医療保険料87,082円
合計223,636円

※控除証明書をもとに、年末まで予定どおり支払う前提で集計した金額です。

2026年分は、23歳未満の扶養親族がいるなどの要件を満たす場合、新制度の一般生命保険料の所得控除上限は6万円。介護医療保険料の上限は4万円です。

仮に、すべて夫が負担して控除の対象となり、特例の要件も満たす場合、この2区分の所得控除は、所得税で合計10万円、住民税で合計5万6,000円になります。

税負担が軽くなる金額は、適用される所得税率によって変わります。

所得税率所得税等の軽減翌年度の住民税の軽減年間合計
5%約5,100円約5,600円約10,700円
10%約10,200円約5,600円約15,800円
20%約20,400円約5,600円約26,000円

所得税率10%なら年間約1万6,000円、20%なら年間約2万6,000円が目安です。

これは、この保険料控除を適用しない場合との比較です。わが家の確定した還付額ではありません。年収だけでは適用税率は決まらず、実際の還付額も現時点では確認できません。

保険料の詳しい内訳や申告時の確認ポイントは、わが家の年末調整・生命保険料控除の記事にまとめています。

全額が年末調整で戻るわけではない

ここは、特に間違えやすいところです。

税金反映されるタイミング
所得税年末調整で、先に納めた税金と年間の税額を精算
住民税翌年度の税額に反映。給与天引きなら通常6月以降

例えば、2026年分の控除による住民税の軽減は、通常2027年6月以降の給与天引きなどに反映されます。

「年間約1万6,000円の税負担軽減=年末調整で約1万6,000円が振り込まれる」ではありません。

還付額は、給与から先に引かれていた税金や、ほかの控除も含めて決まります。

控除を最大限活かすための3つのポイント

① すでに払ったお金の申告漏れをなくす

保険の控除証明書、自分で払った国民年金、iDeCoの証明書などを確認しましょう。

給与天引きで処理されるものと、自分で申告が必要なものを分けておくと、漏れを防ぎやすくなります。

医療費控除は年末調整では受けられないため、該当する場合は確定申告が必要です。

② 夫婦で自由に振り分けられると思わない

生命保険料控除は、実際に保険料を支払った人が申告するのが基本です。

「夫の控除枠がいっぱいだから妻に回す」という理由だけで、自由に振り分けることはできません。

家計口座を共有している場合も、口座名義だけで決めず、実際に誰が負担したのか確認が必要です。

③ 控除の上限を埋めるために支出を増やさない

保険料控除には上限があります。すでに上限に達している区分では、保険料を増やしても控除額が増えない場合があります。

必要な保障か、家計に無理がないかを先に考えましょう。

目指したいのは、控除額を大きくすることより、必要な支出をしたうえで手元のお金を残すことです。

まずは「払っているのに申告していないもの」がないか、確認してみてください。

※試算は、所得税に復興特別所得税を含み、住民税の所得割を10%として計算しています。控除によって税率の境目をまたがず、軽減効果を受けられる税額がある前提です。ほかの税額控除や端数処理などによって実額は異なります。

出典・参考資料

2026年10月26日確認。

国税庁:所得税のしくみ

国税庁:所得控除のあらまし

国税庁:生命保険料控除

国税庁:所得税の税率

大田区:所得控除について

合志市:市県民税について

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